- 2007年4月11日 18:36
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第一回目は、現在、慶応義塾大学4年生、慶應大学を休学し、シアトルのワシントン大学に留学中。そして、NBAシアトルスーパーソニックスにて見事、インターンシップを勝ち取った田中裕之くんにインタビューしました。

Tomi (以下T): 今回、JBA新聞、第一回目成功者インタビューにご協力くださいましてありがとうございます。早速ですが、シアトルでの毎日の生活について教えてください。
田中裕之君 (以下H): 現在は、UW(ワシントン大学)の授業を終了し、インターンシップに専念をしていますので、火、木、金曜日は、大体8時くらいから6、7時くらいまでソニックスのオフィスで働き、また、ゲームがある日に、アリーナでプラス4,5時間勤務してます。あと、毎日の日課で必ず、ジムに行き、筋トレ、または、エアロバイクで一時間ほどトレーニングしています。
T: 生活費を教えてください。
H: 共有スペースのあるアパートで月400ドルで、ほぼ、毎日自炊して、昼食もサンドイッチ持参、外食もたまに友達と行くくらいで、1週間約50ドル以内でおさえています。ゲームがあるときには、夕食もアリーナ内でついてきますし、たまにオフィスでもサプライズピザとか用意されるので、助かっています。野菜とかをたくさん買ってきて、すぐ調理できるように全部きざんでストックしてあります。
T: かなりまめですね〜。
H: 一つのことに集中するタイプなのでコツコツするのって苦にならないし好きなんです。
T: どういうプログラムでこちらに留学したのですか?留学に際しての規定など。また、目的は?
H: まず、プログラムに参加するには、TOEFL500点以上という規定があります。その後の一年間、社会に直結したビジネス英語教育をすぐに学べる素地があるというのが前提だからです。また自分の慶應でのメジャーがスポーツビジネスとソーシャルマーケティング(ダブルメジャー)なので、ワシントン大学ということで、ハスキー(有名なUWのフットボールチーム)もあるし、最後の3ヶ月、アメリカでインターンができるというのが一番の魅力でした。アメリカで、スポーツビジネスに関するソーシャルマーケティングを勉強するのが一番の目的でした。
T: ソーシャルマーケティングについて教えてください。
H: 言い換えれば、非営利のマーケティング。政策(行動)の成果によって、何を達成したかを図るものです。
T: 奥が深いですね。
H: 行動が自己目的化せず、達成に向かっているかをきちんと確認する必要があり、それをするのがソーシャルマーケティングです。政府の政策にとどまらず、小さなコミュニティにも応用できる熱い分野です。
T: インターンシップ〔注1〕は、もちろん、留学してきた人がどこに決まるかなんて、人それぞれ、違うわけですが、ソニックスのインターンを勝ちとるなんてすごいですね。
H: 最初から、ソニックスでインターンをすると決めていました。募集が始まる前から、何通もレズメ〔注2〕を担当者あてに送りました。そして、インターン募集と同時に、自分の最高のレズメをもう一通。面接は、自分では失敗した思ったのですが、それでも、インターンが決まりすごくうれしかったです。
T: やはり、熱意は伝わるものですね。それに、がんばって用意していたから、ちゃんとチャンスがめぐってきたということですね。ところで、配属はどこですか?
H: コミュニティリレーションズという部門〔注3〕で、ソニックスに対して、寄付を依頼してくる団体の査定、審査を行い、寄付をするかを判断、または、それに伴う、企画等を行う部門。つまり、地域貢献のプロジェクトを総合的に運営する部門に所属しています。
T: まさに、田中君のメジャーにぴったりの部門ですね。
H: 自分のブログ〔注4〕に詳しく説明していますが、日本のスポーツ界にとって、大事な要素だと思います。この部門でインターンできるのは、自分にとって、本当に有益なことです。
T: 実際、NBAのスタッフ(インターン)として働いてみてどうですか?
H: 実際、細かい作業も多くて、もちろんつまらないこともあります。でも、そういう小さいところが大きなところにつながると思うし、華やかな舞台の裏側を見れるし、でも実際、有名な選手も近くで見れるわけだし、バスケット大好き人間の僕には、本当に夢の環境です。それに、日本で、こうやったら、いいなとかそういう青写真が頭で描ける分、未来につながって、とてもいい経験をさせてもらっていると思ってます。
T: ずばり、未来の夢は?
H: 日本のバスケット界を変えることです。大好きなバスケットにかかわる人や団体、すべての人が幸せになるように。幸せの定義がない分、やってもやっても終わらないので、それを一生かけてやって行きたいと思います。
T: 実際、慶應で、スポーツイベントを開催してたということですが。
H: はい、Sports Management Research Group (SMRG) 〔注5〕という、団体を先輩と共に発足し、現在も後輩が引き継ぎ、進んでいるプロジェクトです。
T: ちなみにどんなスポーツを何回くらい開催したのですか?
H: 2004年の夏から、2007年1月現在で、バスケット3回、野球3回、サッカー3回、フラッグフットボール1回です。ちなみに、僕は、第一回のバスケットボール交流会のリーダーをしていました。その後、大学スポーツ活性化プロジェクト〔注6〕のリーダーもしていました。そのプレゼンテーションのときは、多分今までの人生で一番がんばったと思います。
T: アメリカに来て、良かったこと、悪かったことってありますか?
H: 実際、今になれば、良かったことだらけだと思います。もちろん、最初、すぐにできると思っていたアメリカ人の友達がなかなかできなかったし、ホームステイ先のちょっとしたトラブルとか、色々ありました。でも、今は、アメリカ人の友達もでき、念願だったソニックスでのインターンもでき、ホームスティ先をでて、自由になりましたので、その点も問題解消できました。日本にいた時は、アメリカのバスケットはすごいと思っていましたが、その幻想が消えて、いいとこ、悪いとこというのが、はっきりわかってきたし、そして、逆に、こちらからみた日本というのは、意外にすごいんだなと、思いました。悪かったところは、あまり、おしゃれに気をつかわなくなったところでしょうか。
T: 日本とアメリカのバスケットの違いについて感じたことを教えてください。
H: あまりにもちがいすぎて・・・。まず、プレイでいえば、アメリカは、個人主義。(シュートをどんどん、うつ。) 日本人は自己主張が下手。マネージメントについては、アメリカでは、どうやってお金を稼ぐかを本当に真剣に考えていて、やり方がうまいと思いました。例えば、興行収入一つをとっても、コート近くの席をかなり高値で売って、後ろの席は、10ドル前後で売るわけですから、後ろの席でお金をもうけようなんて思ってないのです。お金があるところから、たくさんもらって、それほど裕福でない人でも後ろの席でみれる環境。それが、アメリカンドリーム的発想というか、いつか、あの一番前で試合をみたいと思わせるし、しっかりとお金を稼いでいると思いました。一つ、不思議だったのは、アメリカは、日本ほど、バスケットサークルがないということ。それには、会社や団体が寄付して作った、バスケットコートが町中あちらこちらにあるという現状です。外にでればどこでもタダでバスケットができる環境。だから逆にサークルがあまりないのでしょう。あと、ジムなどの室内施設(有料)では、24時間バスケットができる環境が整っています。
T: 日本のバスケットファンに伝えたいことは、ありますか?
H: ファン、マネージメント、選手のレベル、すべてのレベルを上げるということです。みんなバスケットが好きなんだったら、みんながやる。変えたい意識を持つということです。下手をすれば、一つの文化が消え去るかもしれないのです。そういう危機感をもって、バスケットに関わるすべての人に行動してもらいたいと思います。
T: 最後に座右の銘を教えてください。
H: 一つは、マイケルジョーダンの言葉、「努力の量は問題ではない。やりぬく気質があるかどうか。」マイケルジョーダンは、いつも、それが最後の試合だと思ってプレイしていたそうです。それから、スティーブ・ジョブス(アップルコンピュータ創立者)の「死は、おそらく生が生んだ唯一無比の最高の発明品。」〔注7〕つまり、一日でも無駄にできないということ。そして、もう一つは、「誰かがやらないと、誰かがやる。待っていれば変わるかもしれない。でも子供達が成長するのは、待ってくれない。」つまり、一秒でも早く、自分が行動することで、良くなっていく過程、時間を縮めたいということです。
注釈と解説:
注釈1:
インターンシップとは、:学生が社会人になる前に研修目的で実際の会社に入って基本的に無給で仕事をすること。アメリカでは、多くの会社で、学生にそういう機会を与えています。
注釈2:
レズメとは、英語の履歴書のこと。
注釈3:
ソニックス・コミュニティリレーションのリンク:
http://www.nba.com/sonics/community/
注釈4:
田中君のブログのリンク:
http://hiroyuki-tanaka.blog.drecom.jp
注釈5:
SMRGリンク:
http://sports.cmr.sfc.keio.ac.jp/
注釈6:
スポーツ活性化プロジェクトリンク:
http://ksc.sfc.keio.ac.jp/
注釈7:
ジョブスのスピーチのリンク:
http://blog.livedoor.jp/tomsatotechnology/archives/50067272.html
〜Tomiから一言〜
本当に、22歳の青年とは思えない、しっかりした素晴らしい方でした。何事もストイックに決めたことを着実に自分のものにしていく、なかなかできないことです。未来の設計図がしっかりと定まっていて、これから、きっとバスケット界に貢献してくれる人物の一人だと思います。将来が楽しみですね。今回は、バスケット関係者になりましたが、基本的にいろんな分野の方にお話を伺うつもりです。次回もおたのしみに〜。
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